飼われて喜んで動く人なんているわけない
「オレはやっと仕事の進め方がわかってきたよ」
と、嬉しそうに紹介された短い文章がある。
僕は、これを見た時に違和感がぬぐえなかった。
人を小馬鹿にした文章だなぁと。
何かの真理を発見したように嬉々として紹介する相手が、急に人の皮をかぶった得体の知れない何かのように感じられ、生理的な嫌悪感を感じた。
所詮、人は使い捨てるコマに過ぎないという発想なんでしょう。
この文章のことを思い出したのは、
最近、モラルハラスメントという言葉があることを知り、関連のブログや書籍を読み漁っていたから。
モラルハラスメントとは、
言葉や態度によって、巧妙に人の心を傷つける精神的な暴力
僕がこの言葉を初めて知ったのは、ブログのリンクを辿るうちに見つけた
『モラル・ハラスメントブログ』http://blog.goo.ne.jp/machimachi_2005/
というブログにて。
元々はフランス人精神科医のマリーフランス・イルゴイエンヌ女史がこの言葉を広めたもので、
日本でもこの言葉が浸透しつつあるようです。
その詳細は彼女の著作に詳しく、代表的な書籍として
の2冊があり、これらを読みながらメモを取る日々です。
モラルハラスメントは、「家族におけるモラル・ハラスメント」と、「職場におけるモラル・ハラスメント」の2つが紹介されています。
僕は家族においてはそこまで過酷な環境とは縁遠かったこともあり、気にかかるのは特に職場におけるそれ。
言葉や態度、身振りや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、肉体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追い込んだり、職場の雰囲気を悪くさせることである。
『モラルハラスメントが人も会社もダメにする』p.27
モラルハラスメントということがわかってくる中で、
ふと思い出したのが、このエントリの先頭に出した文章でした。
その後、表面上は笑顔でエンジニアの相手をする彼でしたが、やはり人間、信頼できる人間とできない人間は嗅ぎ分けるんですね。
彼は部下からの人望というものが非常に薄く、その下からは優秀な人から順に次々と去っていきました。
笑顔にコーティングされた悪意というものが世の中にはある。
自分の身は自分で守らなきゃならん。
笑顔の裏に隠された意図っていうものを見抜く力も大事。
そんなことを実感した一件