とぼけた軽快なモノローグにくすりニマりゲラゲラ『パパとムスメの7日間』

『パパとムスメの7日間』

女子校生の娘と、サラリーマンの父親の人格が入れ替わったらどうなるか、っていうエンターテイメント。
友人が「徹夜で読んだ!」とオススメだったので、読んでみたけれども、


…読んだのが自分の部屋でよかった!
うひゃひゃひゃ、ゲラゲラ笑いながら一気に読了。
夜中だったら近所迷惑だったかも。


当事者が必死であればあるほどコミカルで、
2人もお互いの深刻な事態にもかかわらず、どこかすっとぼけたやりとりがおもしろい。
互いのモノローグの中でのツッコミが絶妙。


チョコっとだけ紹介すると、

 「ちょっとでかけてくるから!」
 悲鳴のような声がした。どこ行くの、と理恵子が叫んだが、わかんない!という答えが返ってきただけだった。
 わかんないとは何事か。お前はイノシシか。自分がどこへ向かっているのかわからないまま走りだすのか。

「それは・・・」無理だ、と世にも情けない顔でパパが言った。「そんな、お前、パパが男の子と会って何を話せばいいんだ?だいたい、なぜお前たちは会うんだ?やっぱりデートってことなのか?」
「違うっては!そーゆーことあるでしょ、話の流れで映画みる約束しちゃっただけだって。それだけなんだから。パパが思っているようなことなんてないんだから」
 ムリムリムリ、とパパが女子高生っぽく首を振った。何でそこだけ女子高生になんのよ。

ちょっと、ストーリ展開には無理があったりするけれど、エンターテイメントとして軽快なテンポと会話を十二分に楽しめます。なにより笑える笑える!